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がまのち

日本怪談大全 第一巻 女怪の館

田中 貢太郎

線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁

青空文庫

※

半ちゃんはまた出て往った。岡本は元の座へ帰って盃を持った。

「声をたてたり、逃げたりすると、半殺しにしたうえで、警察へ渡すぞ」

お杉は小さくなって顫えていた。岡本はもう何も云わなかった。そして、十分ばかりすると、半ちゃんがまた壮い色の白い男を伴れて来た。岡本はまた起って往って撲りつけた。

「野郎」

壮い男もそこへつくばってしまった。岡本は半ちゃんに眼をやった。

「二人の番をしとれ、じたばたするなら、殺してしまえ、これから俺がかけあって来る」

岡本は出て往った。

※

岡本は一時間近くもお高の室にいて引返して来た。離屋には半ちゃんが酒を飲んでいる前に、あの壮い男とお杉が小さくなって坐っていた。

「帰ったな」

松山が岡本の顔を見た。松山は岡本の顔色によって事の成否を知ろうとしていた。半ちゃんは元より岡本の帰るのを待ちかねていた。

「お帰り」

岡本は頷いて元の席へ往って坐りながら、壮い男とお杉を見なおすようにした。

「いるな、馬の脚と、婆あは」

半ちゃんは岡本の盃へ酌をした。

「じたばたしたら、殴き殺すのだから、奴さん、動かれないのだ」

「そうか、そうだろう、ふざけたことをしやがってるから、だいち、その婆あがいけねえ、いい年をして、聞きゃ出入だと云うじゃねえか、大恩を忘れやがって、馬の脚なんかをとり持つなんて、不埒千万だ」