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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁
もうすこし時間が経っているので、何人か表にいるようだと云われた詞も、それ程神経に生きていない。で、気の弱い私を躊躇させずにその家へと伴れて往った。二軒目の軒燈の点いていた家は、小さな米屋であった。その米屋の角を右に曲ると、もう白い陶器の表札が見えた。私は、静にそこの門口へ往って、格子に手を掛けながら声をかけた。と、年老った女の返事があって障子を開け、こな五十前後の背の高い女が顔をだした。
「甚だ失礼ですが、貴方の家に、弘光と云う方はいないでしょうか」
「いいえ、宅にはどなたもいらっしゃいません、宅は私と女の子きりですよ」
女の子と云うのは、この間、声を出した女であろうと思った。
「そうですか、実は、この間の日曜日の晩に、私の友人の細君を見かけましたから、声をかけようとしているうちに、こちらへ入りましたから、直ぐ伺おうと思いましたが、夜分のことであるし、なんだか変でありましたから、そのまま帰りましたが、それではお宅には、何人も他の方はいらっしゃらないのでしょうか」
「それは変ですね、宅には、もう、ずっと前から何人もお出でになりません、お隣じゃございませんか」