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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁
「それはどうも、御親切にありがとうございますが、見ず知らずの方に、それでは余り不躾にございますから」
「なに、そのような遠慮はいらぬ、さあ、拙者といっしょに来なさるが宜い」
太郎左衛門は二人の女を伴れて、己の家へ帰り女房や婢に云いつけて二人の世話をさした。二人は江州から来た者で壮い方の女は色の白いな顔をしていた。一方の女はその乳母で髪の毛が赤く縮れていた。太郎左衛門の家では二人に食事をさして、一室へ入れて眠らした。
翌朝になって婢が気をつけて見ると、女客の室には病人ができたのか、頻りにうめく声がする。障子の隙間から容子を伺うと壮い女がおろおろしながら、俯向きになって寝ている乳母の背を撫でていた。
太郎左衛門は女房からそのことを聞いたので、女客の室へ往った。
「明け方から、持病の下腹の痛みが起りまして」
壮い女は太郎左衛門を見て、当惑したらしい容を見せた。
「持病とあれば左程案じることもなかろう、癒るまで逗留して、それから出発せらるるが宜い」
「お詞にあまえるようで、心苦しゅうございますが、どうぞ乳母の病気が癒りまするまで、お助けに預かりとうございます」
壮い女は涙を流した。