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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
線上閱讀国木田 独歩《武蔵野(わすれえぬひとびと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,018 字 · 192 頁
アア老熟! 別に不思議はない、
“Man descends into the Vale of years.”
『人は歳月の谷間へと下る』
という一句が『エキスカルション』第九編中にあって自分はこれに太く青い線を引いてるではないか。どうせこれが人の運命だろう、その証拠には自分の友人の中でも随分自分と同じく、自然を愛し、自然を友として高き感情の中に住んでいた者もあったが、今では立派な実際家になって、他人のうわさをすれば必ず『彼奴は常識が乏しい』とか、『あれは事務家だえらいところがある』など評し、以前の話が出ると赤い顔をして、『あの時はお互いにまだ若かった』と頭をかくではないか。
自分がウォーズウォルスを見捨てたのではない、ウォーズウォルスが自分を見捨てたのだ。たまさか引き出して見たところで何がわかろう。ウォーズウォルスもこういう事務家や老熟先生にわかるようには歌わなかったに違いない。
ところで自分免許のこの老熟先生も実はさすがにまるきり老熟し得ないと見えて、実際界の事がうまく行かず、このごろは家にばかり引きこもっていて多く世間と交わらない。その結果でもあろうかウォーズウォルス詩集までが一週間に一、二度ぐらいは机の上に置かれるようになった。