輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
線上閱讀国木田 独歩《武蔵野(わすれえぬひとびと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,018 字 · 192 頁
初恋
僕の十四の時であった。僕の村に大沢先生という老人が住んでいたと仮定したまえ。イヤサ事実だが試みにそう仮定せよということサ。
この老人の頑固さ加減は立派な漢学者でありながらたれ一人相手にする者がないのでわかる。地下の百姓を見てもすぐと理屈でやり込めるところから敬して遠ざけられ、狭い田の畔でこの先生に出あう者はまず一丁前から避けてそのお通りを待っているという次第、先生ますます得意になり眼中人なく大手を振って村内を横行していた。
その家は僕の家から三丁とは離れない山の麓にあって、四間ばかしの小さな建築ながらよほど風流にできていて庭には樹木多く、草花なども種々植えていたようであった。そのころ四十ばかりになる下男と十二歳になる孫娘と、たった三人、よそ目にはサもさびしそうにまた陰気らしゅう住んでいたが、実際はそうでなかったかもしれない。
しかるにある日のこと、僕は独りで散歩しながら計らずこの老先生の宅のすぐ上に当たる岡へと出た。何心なく向こうを見ると大沢の頑固老人、僕の近づくのも知らないで、松の根に腰打ちかけてしきりと書見をしていた。そのそばに孫娘がつくねんとして遠く海の方をながめているようである。