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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
線上閱讀国木田 独歩《武蔵野(わすれえぬひとびと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,018 字 · 192 頁
※(始め二重括弧、1-2-54)五※(終わり二重括弧、1-2-55)
村に近づくにつれて農夫ら多く野にあるを見たり。静けき村なるかな。小児の群れの嬉戯せるにあいぬ。馬高くいななくを聞きぬ。されど一村寂然たり。われは古き物語の村に入るがごとき心地せり。若者一個庭前にて何事をかなしつつあるを見る。礫多き路に沿いたる井戸の傍らに少女あり。水枯れし小川の岸に幾株の老梅並び樹てり、柿の実、星のごとくこの梅樹の際より現わる。紅葉火のごとく燃えて一叢の竹林を照らす。ますます奥深く分け入れば村窮まりてただ渓流の水清く樹林の陰より走せ出ずるあるのみ。帰路夕陽野にみつ』
自分は以上のほかなお二、三編を読んだ。そしてこれを聴く小山よりもこれを読む自分の方が当時を回想する情に堪えなかった。
時は忽然として過ぎた、七年は夢のごとくに経過した。そして半熟先生ここに茫然として半ば夢からさめたような寝ぼけ眼をまたたいている。
※(始め二重括弧、1-2-54)五※(終わり二重括弧、1-2-55)
午後二人は家を出た。小山は画板を肩から腋へ掛け畳将几を片手に、薬壜へ水を入れてハンケチで包んだのを片手に。自分はウォーズウォルス詩集を懐にして。
大空は春のように霞んでいた。