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やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《野草雑記・野鳥雑記(やそうざっき・やちょうざっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,016 字 · 284 頁
すみればかりは関東の野の方が種類も多く、色もずっと鮮かなように思われるが、蒲公英もまた紫雲英も、花がやや少なくかつ色が淋しい。ただその埋め合せに野木瓜とか山吹とか、故郷で覚えていないさまざまの花が、この野の春色を豊かにしているのである。昭和三年の初めての春は楽しかった。もしも幸いにこの家に十年、何事もなくて住み続けることが出来たら、草の話を小さな一巻に集めて、子供や古い友人に読んでもらおうと、思い立ったのも早いことであったが、まだその時には『野鳥雑記』には考え及ばなかったのである。
鳥は旧友川口孫治郎君の感化もあり、小学校にいた頃からもうよほど好きであった。十三歳の秋から下総の田舎にやって来て、虚弱なために二年ほどの間、目白や鶸を捕ったり飼ったりして暮した。百舌と闘ったこともよく覚えている。雪の中では南天の実を餌にして、鵯をつかまえたことも何度かある。雲雀の巣の発見などは、それよりもずっと早く、恐らく自分が単独に為し遂げた最初の事業であって、今でもその日の胸の轟きが記憶せられる。小鳥の嫌いな少年もあるまいが、私はその中でも出色であった。川口君の『飛騨の鳥』