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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 156,866 字 · 318 頁

青空文庫

――ちょうど娘が泊りに行った晩、娘が休んだ部屋の隣に置いてあった、何とかいう大名道具の香炉が無くなったそうで――娘が帰ってから気が付くと、追手でも掛けたように、番頭の甚助さんが飛んで来て、娘が盗ったと決めたような無理難題でございます」

ともすれば愚痴になる与次郎の話の中から、平次は辛くも筋を読み取ります。

「証拠でもあったのかい、――娘さんが盗ったという――?」

「甚助さんが改めると、娘の稽古本を包んだ風呂敷には灰が一パイ付いております。香炉でも隠したんでなければ、風呂敷へ灰なんか付くわけはないと申します。それに、困ったことに親の私は古道具屋で、骨董には一応眼が利くだろうし、隠すにも売るにも、なにかと都合がよかろうと、こう思っている様子でございます。――でも、親分さん、私などは古道具屋と申しても、店にある品と申しては、鍋や釜や、古いお勝手道具や、せいぜい化けそうな仏様ばかり。大それた品を持込んだら、すぐ知れてしまいます」

「――で、娘さんはどうしたんだ」

際限もない愚痴を封じて、平次は話の要領を辿りました。

「品が出てくるまで、娘は玉屋さんが預ると申して、甚助さんが一緒に伴れて参りました。