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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十四)雛の別れ(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,139 字 · 233 頁

青空文庫

五

「まア、怒るな、八。それより、脇差の鞘と弾三郎の履物は見付かったのか」

「鞘は両国で、履物はあの桟橋の下の泥の中で見付かりましたよ」

「よしよしそれで大方見当は付いた。これからお船番所へ行くが、お前も一緒に行ってくれるか」

「どこまでも行きますよ」

平次はそこからすぐ豊海橋の船番所に飛び、船手役人の助力で大川筋一パイに調べました。

五

大川筋の船、大きいのは五百石、千石積みから、小さいのは釣舟、猪牙舟にいたるまで、虱潰しに調べあげられた結果、抜け荷を積んだ船が一艘発見されました。船頭は海賊銀太という顔の通った男、取引した南蛮物を持って、大坂、名古屋、江戸と、諸国の港を渡り、それを金に代えて、夥しい金銀を、もうけていたのです。

平次の注意で、一方町方の手は、福井町の城弾三郎の家を捜し、そこに夥しい禁制品を隠してあるのを発見した上、さらに戸倉十兵衛を捕えて調べると、これも城弾三郎や海賊銀太の仲間で、国禁を犯して夥しい抜け荷をさばいていることがわかりました。

「親分、抜け荷の調べはいい加減にして、城弾三郎殺しを挙げちゃどうです」

ガラッ八がそんな事を言い出したのは、抜け荷検挙騒ぎから五六日経ってからでした。