輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十四)雛の別れ(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,139 字 · 233 頁

青空文庫

――本当に可哀想な妹――その妹の敵を討ったのが悪いことでしょうか、親分」

「…………」

「極彩色の仏像は親父の遺言通り素木と換えて置きました。――死んでしまった妹の命はどうしてくれるでしょう」

近々と響く潮鳴りの中に、丈太郎の島吉の嗚咽が断続するのです。平次もガラッ八も、しばらくは黙っておりました。

「よし分った。幸いの闇、俺は何にも見なかった。お前の顔も、姿も。――そしてこのまま江戸へ引っ返そう。お前もどこかへ消えてなくなるがいい。俺の前へ二度と現れないようにしてくれ。丈太郎でも、島吉でも、俺は縛らずにおくわけには行かない。いいか」

「親分」

「さア、帰ろうか八。夜道を少しでも引っ返して、藤沢あたりで泊るとしよう」

平次は塵打ち払って立ち上がりました。大地に崩折れて、ひた泣く黒い影を後に、その後ろに従うガラッ八も、今晩ばかりは無駄口を叩く気力もありません。