輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁
四
――だが邸内にはかよがいる。
それが大きな懸念であった。いつか江戸の芝で捉まって、「和幸」へ伴れてゆかれたときに、かよは艶然と笑いながら云った。
――女の眼はのがれられない、どんなに姿を変えても、自分の好きな人なら、女の眼は必ずみつけてみせる。
その言葉には実感があった。
ぜんぶの女性がそうでないにしても、かよにはそういう能力があるように思えた。「大めし」の前で先日ゆきあったとき、もしも虎造が彼女に呼びかけなかったとしたら、彼の正体は見あらわされたかもしれない。おそらく見あらわされたであろうと、万三郎には思われるのであった。
そのかよが邸内にいた。――そうして、彼はいまそこへゆく決心をしたのである。
――虎穴に入らずんば虎児を得ずだ。
万三郎はそう肚をきめた。
四
虎造の住居はひどいものだった。
自分でも「馬小屋のような」と云ったことがあるが、それよりもっと狭く、古く、汚れていた。
暗くてよくわからないが、それは裏門を入ったすぐ右側にあった。
召使たちはもっと奥の長屋にいるそうである。そこは虎造ひとりに与えられているのだが、建物の半分は物置で、他の半分を板で仕切ったものであった。