輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《鳴門秘帖(一)(なるとひちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,100 字 · 523 頁
すると、カラッと妙な音がして、その大刀は途中から意外のほうへ狂ってしまった。やッ? と愕いて見れば、風のごとく寄ってきた白い人影、森啓之助の脾腹を当て、九鬼弥助の腰をすくってザアーッと生洲の水へ投げつけた。
「ウウム……何奴ッ」
怒気を漲らして構え直った天堂一角、きっと月光の注ぐところを見れば、青き天蓋、銀鼠色の虚無僧衣、漆の下駄を踏み開いて、右手に取ったるは尺八に一節短い一節切の竹……。
これはただの虚無僧ではない。
一見不用意に似た尺八の構えは、いわゆる八面鉄壁な斜め青眼、たしかに一流をこなしている。ましてや天蓋の裡の息しずかに、竹とはいえその尺八から、剣にも等しい一脈の殺気が迫ってくるところ――どうして冴えている! 奥行の知れない深味がある。棒振剣術や雑剣客の類ではない。
と――一角はすぐに見てとった。
彼とても技には一かどの見識を持つ男。この虚無僧の只者でないことを知るとともに、ピタッと剣勢を改めて、ウカとは上段を振り下ろさずに、一方の銀五郎へ気をくばって見ると、生洲から這い上がった弥助と啓之助、二刀に一人の銀五郎を挟んで、四、五間先へ斬りまくしている。