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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第一巻(あかくら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 頁
といって、済まして気焔を揚げておられた。
時々は前にいったような珍客が晴れやかな空気を持ち込んでくるようなこともあったが、時には先生が真顔になって実験の心得を説かれることもあった。
装置を一度作るとどうしてもその通りを追って行くのが一番楽で、どんどんそれを変えて新しく実験を進めて行くのが何となく億劫になって、次の事に手を出し兼ねるようになってしまう。それが実験家には一番いけないことだ。
型に嵌った実験を精密にやって、恒数を決めて行ったりする仕事も僕は決してつまらぬとはいわない。それも立派な事で、またなくてはならぬ仕事であるが、それにはそんな仕事に適した人があるから、その人に任かして僕は御免を蒙るというだけなんだ。僕は子供の時から家で非常に大事にしてくれたもので、自分の好きな事だけしてこられた。まあ、苦学力行の正反対で楽学の大家だね。しかし世の中には自分の好きな事をやるというのが何か悪い事のように思う人があるので困るよ。どうも日本人には、自分の性質に合わぬむつかしい事をひどく尊敬する癖があるようだ。自分の性に合わぬ事に大変な勉強をしてやっと人並位の仕事をして得意になってるのは、征服感の満足だということに気が付かないんだね。