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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第一巻(あかくら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 頁
と妙に力瘤を入れて落第を礼讃された。そして声を潜めるようにして、
実は僕も中学の入学試験に落第したことがあるんだ。小学校の時、なまじっか出来るなんて慢心して碌々準備をしなかったものだから、良い懲しめになった。それで慌ててね、一所懸命勉強して次の年成績が良かったもので、中学の二年の補欠試験を受けてどうにかパスしたので、年の上では損はしなかったが、立派な落第さ。しかしあの時の経験は実に貴かったと今でも思っている。その中学には色々面白い先生がいてね、溝淵さんなんかもいたんだ。若くて先生というより兄さんというような気がしていたものだ。溝淵さんからは随分色々ハイカラな事を仕込まれたものだった。
私はびっくりして、「溝淵先生がハイカラだったんですか」と聞いたら、「何、思想上のハイカラさ」といって大笑いをされた。
それから高等学校は五高だったが、五高にも良い先生が沢山おられたものだった。夏目先生に英語を教わり、田丸先生に三角を教わったものだ。田丸先生に教わると三角が生きてくるのだから妙だ。数学は子供の時から嫌いだったのが、あの時初めて面白いと思った。それまで二部の工科だったのを田丸先生の感化で到頭三年の時理科に変ってしまったんだ。