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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《任侠二刀流(にんきょうにとうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 頁
「はっ」というと尾張宗春、奉書をささげて読み上げた。
「一朝有事、錦旗翻えらば、よろしく大義親を滅し、京師に馳せつけ、禁裏を守護し、誓って誤りあるべからず、扶桑は神国、皇統は連綿、万民拝すべきは一方に在す、帝を置いてあるべからざるなり、子々孫々に伝うべき一条」
こういう、意味の文章であった。すなわち日本の国が乱れ、京都と江戸と戦う場合には、徳川宗家に背いても、必ず尾張家は京都へ味方し、王事に仕えよというのである。
「さようさようこれでよろしい。昨夜木小屋で俺の云った、一方を拝すればそれでよい、その一方こそ禁裏様だ! 日本の国はそれで治まる! いろいろのものを拝まないがよろしい! さて……」というと薬草道人、ヒョイとばかりに立ち上がった。「ああよいものを見せていただいた。セイセイしたというものさ。ではお暇をしましょうかな」
「しばらく」というと尾張宗春、道人の袖を引き止めた。
蝮酒屋の主人四人をかくまう
「しばらく」と止めた尾張宗春、さも恭しく云ったものである。「このまますぐにご出立とあっては、お名残り惜しゅうございます。なにとぞしばらく城中に、是非お逗留くださいますよう。