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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《任侠二刀流(にんきょうにとうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 頁
組紐のお仙はどうしたか? 「浜路様に恋を譲りました。妾は芸人でくらします」
これが彼女の心意気であった。白粉をつけ紅をつけ、華やかな肩衣で身を粧い、例の両国の舞台に立ち、大蛇を使って妙技を演じ、江戸の人気を沸き立たせたが、しかし心は寂しかったかも知れない。しかし決して泣きはしまい。それも一つの生活だから! まして彼女は侠婦である。そうして幾多の艱難に堪えた。明るく笑って暮らしたことであろう。
堯舜の世はなかったのだ。なかったから孔夫子が創造ったのだ。孔夫子に創造れた堯舜の世なら、組紐のお仙にも創造れる筈だ。彼女、自ら心内に、堯舜の世を形成くり、そこに住んだに相違ない。
鷺組のお絹とその一党も、功名著るしいというところから、益※(二の字点、1-2-22)水府お館のために、用いられたことは云うまでもなく、宗三郎一行を援助した、名古屋の侠客弥五郎へは、特に水府お館から、感謝の辞を捧げたということである。
宗春卿に至っては、一世の名君として令名高く、任にあること十年ではあったが、その間偉大な事業をとげ、今日のいわゆる大名古屋市の、一大基礎を確立した。薨ずるや諡して章善院、流風永く今日に伝わり、市民今に仰いでいる。