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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
線上閱讀織田 作之助《土曜夫人(どようふじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 106,903 字 · 213 頁
その陽子の所へ、女を連れて泊りに行く――これは陽子へ投げつける京吉の一種の軽蔑であり、悔恨のようなものだ。
「どんな顔をするか、おれ見てやりたいや」
と、京吉はふと眉をひそめて呟きながら、女と二人で行けば陽子も泊めてくれるだろうし、おれも正々堂々と泊まれると、もう芳子をだしにする考えが、足を速めた。
「どこへ行くの……?」
「おれの知ってる女の所だよ」
「女の……?」
と、芳子は横なぐりの雨に、ひやりと首筋を打たれた。
「ほかに泊るところねえや。ねえ、芳ッちゃん、いいだろう、アベックで泊めて貰おうよ」
アベックで――という言葉に芳子は微笑して、
「泊って……それから……明日はどうするの……?」
ふと甘ったれた声を、京吉は、
「おれ知るもんか。明日は明日の風が吹くよ」
と、突っ放して、やがて陽子のアパートを探して歩いた。やっと見つかり、陽子の部屋をたたいた。
「陽子、おれだよ。おれ泊るところねえんだよ。泊めてくれよ」
部屋の中では、夜具の上へはっと起き上ったらしい陽子の気配があった。
五
陽子はぐったりと疲れて、眠っていたのだ。昨夜一晩十番館のホールで踊って、クタクタになったその足で乗竹侯爵に会いに木屋町の田村へ行き、挑まれてはだしで逃げ出し、闇の女と間違えられて、留置され、夜通し眠れなかった。