輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《大岡越前(おおおかえちぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 218,436 字 · 437 頁

青空文庫

市十郎は、風呂場で、髪を洗い、伸びた髯もきれいにし、姿まで生れ変った。

その年の四月頃。

養子の大岡市十郎は、正式に、家付きのお縫との結婚の届けを幕府へ出した。――養父の忠右衛門は同時に隠居し、市十郎に、役付きの下命があった。

初め、寄合衆の一員になり、すぐ、書院番に更わった。

定日の非番ごとに、彼は、赤坂の家庭へきちんと帰った。

お縫もよい新妻すがたであった。

年は終りかけた。冬となり、新家庭に初めての正月も送った。出仕の日々も無事に、また一年近い月日がたった。

すると翌年十一月の二十二日の夜半、大地震が起った。

天災史のうちでも特筆されている元禄の大地震である。

四谷塩町から出火し、下町は火の海、山の手も、青山、赤坂、麻布と焼け、芝浦まで焼け抜けた。家屋の倒潰は数知れないし、津波もあり、火死、水死、圧死など、この時の死傷は三万七千余人といわれた。

市十郎は、ちょうど非番の日で、家に泊っていた。

すぐ、わが家もかえりみず、馬を出して、お城へ駈けつけた。本丸、二の丸、どこにも火災はなかったが、半蔵方面からの火の粉をふせぐに、必死の働きだった。

夜が明けると、ひとまず柳営は無事と安心がついて、