輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《大岡越前(おおおかえちぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 218,436 字 · 437 頁

青空文庫

それを、どうして、越前どのには」

「この上は、もはや御上意に委せるほかはありますまい。万一、事面倒な時にはと、念のため、これへ招いておいた鉄淵禅師すら、あれ、あのように、すずしい顔して、見物ものじゃと申しておる」

「では、もはや、猶予はならぬし……。是非もない儀。お連れいたそう」

因幡守の前から顔を離すと、助八は、縁にのぼって、厳かに、

「越前どの、お越しあれ。お待ちかねであらせられる」

と、告げた。

さすがに、人々の面上を、サッと、一種の緊迫感が青白くよぎった。上様と聞けば、他人のいう声にも身の緊まる習性なのである。――が、越前守の筋肉は、柔軟なうごきを少し描いたきりで、

「では」

と静かに、助八へ会釈を返し、また一同へ、もういちど、好意を謝して、そこを立った。

権化

吹上の裏は、深山を想わせる。何人も窺い得ないような巨木や密生した熊笹で蔽われ、道は、意識的に、紆余曲折して造られ、案内なしでは、とても辿りつけない。

淙々たる水音を知ると、渓谷そのままな岩盤に、危うげな丸木橋があり、それを渡り終えると、初めて、広い芝生が、眼の前に展開する。

芝生の彼方に、またるいるいたる岩積みが見え、その上に、一亭の数寄屋がある。