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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
あの娘は一目見たきりで、おびえて逃げたけれども、この怪物にとっては、これもまた餌食にはなるらしい。惜しいことにこの幽霊は、足許は確かだが、眼が利かないから、眼前に横たわる好下物を、気取ったことは気取ったが、そのものの質を知ることはできないのです。
白木の寝棺を距ること、ほぼ一間のところで、立ちどまって、うかがっているのは、その寝息を見るもののようです。
宮本無三四は、佐々木巌柳を打ち倒しても、まだその生死のほどを見極めるまでは、近寄ることをしなかった。それは無三四に限ったことではない、ワナを上手に外す動物は、どんな好餌があっても、そうガツガツと、いちずには近寄ることをしないものです。
ここに、俄然、一つの食べ物を感得したからといって、一概に貪りかかることをしないのは、武術の達人の残心のうちの一つと称すべく、知恵ある動物の陥穽を避ける心がけと言ってもよい。それそれ、果して、この寝棺の一端が動き出したではないか。
寝棺が動き出すということが、もう只事ではない。
こっちがその心で、じっと気合を伏せて見まもっていたものだから、先方も、もう我慢がしきれなくなって、化けの皮を現わしてしまったのだ。