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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

あるところです。

そこまで兵馬がやって来た時に――無論、この高札場が、もう、一度前に一場出ていて、それが返し幕か、廻り舞台になっていて、今度はそこへ自分が一人だけ登場せしめられているということを、兵馬は知らないのです。ですから何気なく、その場面へ登場して来て見ると、その前路のまんなかに、自分よりは先に、もう一人の役者が登場していることに驚かされました。

高札場を中にして、自分とは半町ほどの距離を置いて、大道のまんなかに、人が一人倒れて苦しがっていることが、兵馬には直ちに気取られてしまいました。

そこで、心得て、踏みとどまり、その道のまんなかで苦しみうめいている者の何者であるか――無論、それは人間には違いないが、人間のいかなる種類に属しているもので、いかなる理由で、今頃あんな所にああしているのか、倒れているのは、事実あの人影一つだけで、他に連類は無いのか、なんぞということの視察には、かなり兵馬は抜け目がないのです。

幸いにこの柳の木――これは、この前の場面に、がんりきの百という役者が、充分カセに使った道具立てなのですが、ここにも兵馬のために有力な合方となってくれます。