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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

厄介千万な代物!

ぜひなく兵馬は、足もとで、そのゆもじを蹴飛ばし、蹴飛ばして、高札場の後ろまで蹴飛ばしてしまいました。

これは蹴出しというものか、ゆもじとでもいうのか、それとも腰巻か、ふんどしか、何というのが本名か知らないが、兵馬は、その緋縮緬のずるこけ落ちた代物を、さんざんに蹴飛ばしておいて、その場を立去りました。

六十九

その翌朝になると、まず兵馬は、昨晩、高山の市中に変ったことはなかったか、その風聞を聞きたい気持に迫られました。

黒崎君に聞いてみると、黒崎君もあれから、邸の内は無事過ぎるほど無事で、あんまり無事だから寝込んでしまって、いま、眼がさめたばっかりというような始末。そのほか、家の子郎党、内外の出入りの者からも、何も変った事件が、出来していたというような報告に接することができませんでした。でも、昨晩のことが、なんとなく気にかかりもする。遠くもあらぬところだから、朝の稽古前に兵馬は邸を飛び出して、昨晩のあの高札場のところまで行ってみました。

昨晩の夜の色を、今朝の朝の色に塗り換えただけで、何の異状はありません。問題の代物はと見れば、これも昨晩、自分が蹴飛ばし、蹴飛ばして置いた通り、まだ、誰人の目にも触れないで、素直に高札場のうしろに、かがまっている。