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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

なかったことを、親の仇を取り残したほどに、残念に思う。

今も、乗物の中で、それを思い出した主膳は、もう矢も楯もたまりません。

「駕籠屋、もういいから、根岸へ戻せ、築地へ行くのは止めだ、根岸へ戻せ、戻せ」

主膳のこう言った言葉と出逢頭に、外では駕籠屋が、

「旦那様、曝しがございますが、ごらんになっちゃいかがですか」

「え、何?」

「曝しでございます」

主膳の癇癪と、駕籠屋の注告とが、ぶっつかって、ちょっと火花を散らしたが、駕籠屋の注告に制せられて、

「曝しとは何だ」

「ごらんなさいまし」

駕籠屋が外から垂を上げたものです。今まで自分だけで心頭をいきり立たせていたものだから、外面を乗物がどううろついて来たか、その辺はいっこう、耳にも入らなかったのだが、そう言われた瞬間に、人通りの劇しい音が主膳の耳に入り、つづいて、外からはねられた垂の外を見ると、そこに、「曝し物」

うむ、ははあ、いつのまに、日本橋まで来ていたのか。

ここは日本橋だ、しかも日本橋の東の空地だ、なるほど、曝し場に違いない。小屋があって、筵がしいてあって、後ろに杭があって、その前にズラリと一連の曝し物がある。