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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

「そうでございますってね」

「そうでございますってじゃない、お前なんぞは、それで鳴らしたに相違ないが、商売はやめても力はあるだろうな、力は――」

主膳は、しつこく、おせいを追及して、その肥大なる肉体にさわると、

「殿様は、わたしを女角力とばかりきめておしまいになるが、わたしは一向、女角力のことなんか存じませんよ」

と言っておせいが、主膳の膝をしたたかつねりました。

八十八

「あいたッ」

主膳が、つねられて驚くと、おせいは平気なもので、

「御冗談をなさいますな、角力こそ取りませんでしたが、わたしゃこれで、今でも男の二人や三人、何でもありませんよ」

おせいさんにしては少し舌の足りない、たんかを切ったので、いよいよ興に乗った神尾主膳は、

「そうだろうとも、男の二人や三人、振り飛ばすは何でもあるまい。どうだ、おれと角力をとっても負けまいな」

「殿様だって誰だって、やわらさえお使いにならなけりゃ、頭から押えてしまいますね。ですから、おっかさんが、もしや殿様が酒で乱暴をなさったら、かまわないから、頭からおさえてしまいなさいと言いました」

「なるほど……」

神尾主膳が舌をまいて、なるほどそうありそうなことだと思いました。