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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
昏々として、どのくらいのあいだ、眠りこけたか、それはわからない。或いは、ほんのうたた寝の束の間を破られてしまったのかどうか、それも分らないが、
「御前――お眼ざめあそばせ」
枕にした脇息を揺り動かされたことによって、酔眼をパッと開いて、朦朧として四辺を見廻すと、夢からさめて、また一層の夢心地に誘い入れられたことは幸いでした。そうでなければ、甘睡半ばで揺り動かされた癇癪が、酒乱の持病を引きつれて、ガバと爆発したかも知れない。
「何だ、これはどうしたものだ」
あたりは、ぼうっと紅のように明るい。それに、この座敷の襖が、すっかり通して取払われ、大きな踊りの間になっている。踊りの間は勾欄つきで、提灯や雪洞が華やかに点いている――
ははあ、いつのまに、伊勢古市の大楼あたりへ、持ち込まれたか知らん――という気になりました。
なお、よく眼をさまして見ると、舞台がある、花道がある。舞台の上には一人の俳優が、槍を持って立っている。
ははあ、踊るんだな、まだ充分さめきらぬ眼で、その俳優の風俗を見ると、それは絵で見た水木辰之助の槍踊りというようなものに、そっくりです。
主膳が、眼を、拭って起き直った時に、踊りがはじまる。