輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

「でも、飛騨の高山はかなりの道ですから、途中御無事でありますように」

「平湯まで出る途中、多少難所があるけれど、吹雪にでもならなければ心配は要りませんよ――」

「それにしても、ところがところですから、雪見に転ぶところまでというわけにも参りません、この深山険路の山で転んでしまったらおしまいですね」

「風流も程度問題ですよ。だが、こうして、どこを雪が降るといった気分で、温泉につかっていると天上天下の太平楽です、一句浮びませんか」

「さよう――」

「古人の句で、こういった気分を詠んだ、面白いのはありませんか」

「さよう――」

俳諧師柳水は、仔細らしく頭をひねって、

「あらたのし冬まつ窓の釜の音――というのはどうです、鬼貫の句ですがね」

「なるほど、温泉ということは言ってないが、冬日の温か味は出ていますね」

「我がために日麗なり冬の空――これは翁の句ですが、空気の温か味はありますが、水の温か味はうたってありません。おもしろし雪にやならん冬の雨――」

「やはり、あらたのしというのが、この場の気分には合っているようです」

「和歌の方ではどうでしょう、こういったような気分と情味を現わしたものがございましょうか」