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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
吹く風ならぬ白雪に
勿来の関は埋もれて
萩のうら葉もうら淋し
白雲はこういって、微吟しながら、その豪快なる胸臆のうちに、無限の哀愁を吸引し来ることにたえないらしい。
それにしても、「勿来」の関は、王朝以前の勿来の関で、近代の勿来の関ではないはずです。
たとえ、田山白雲ほどの男でも、王朝以前の時に当って、はるばる都を出でて、東路の道の果てなる常陸帯をたぐりつくして、さてこれより北は胡沙吹くところ、瘴癘の気あって人を傷ましめるが故に来る勿れの標示を見て、我ながら「遠くも来つるものかな」と傷心の感懐を洩らすのは、無理とは言えないだろうが、黒船の海を行く今日の世では、もはや「勿来」は名残りだけのものです。
江戸が天下の政治の中心地となってしまい、常陸にはその宗藩が置かれ、その常陸を僅か一歩抜け出したところの「勿来」の関。これから奥にはまだ、黄金花咲くといわれるところに、伊達を誇る都もあるし、蝦夷松前といっても、名もなき漁船商船でさえが、常路の如く往来をしているこの際に、白雲ほどの豪傑が、ホッと息をついて、「遠くも来つるものかな」は女々しいではないか。
吹く風ならぬ白雪に