輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

さあ、からめ手へ火が廻った。

七兵衛も、有合わす麻袋へ田山白雲の作物や画具を手当り次第に投げ込んで、それを荷って、もうこれまでと庭へ躍り出した時に、

「そうれ、魔物がいた、切支丹のマドロスが、袋を担いでそっちへ逃げた」

七兵衛の姿を認めた寄手の叫び声。

「今、袋を背負った魔物が向うへ駈けて行った、早いのなんの、飛ぶように駈けて行った、船の方へ逃げたに違えねえ、それ、造船所へ押しかけろ、船をぶち壊して魔物を生捕れ! 一人も逃がさず、国賊に天誅を加えろ!」

口々におめき叫んで、造船所をめがけてなだれかかったのです。

「天誅!」

「切支丹バテレン!」

「国賊、毛唐、マドロス、ウスノロ!」

やがて、造船所の界隈が群集の暴動と焼打ちの的になりましたが、建物と違い、船は動くように出来てありました。

群集の狼藉を蒙る以前に、船はゆらりゆらりと船渠を出てしまいました。

花火大砲も届かず、悪口雑言も響かぬところに、悠々として辷り出してしまった船の形が、闇の波の中に鉄の橋を架けたように浮き進んでいるのを、暴民らは如何ともすることができず、手を振り、足を踏んで、徒らに叫びわめくのみでありました。