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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
この悪女塚を築いた当の暴君は、ただいま旅行中であること申すまでもないが、与八としては、その施主が旅行中であったにしても、ないにしてもやむを得ないが、同行の一隊の者が全く素人であったことが悲しいことでした。ここに来合わせた者が、悪女塚の悪女塚たる因縁を全く知らない者ばかりでした。
そうでしょう、お銀様のいる時には、気持を悪がってこんなところへ近づく者はないくらいですから、施主がいなくなってみれば顧みる人すらない。あの当座、知っている者だけが知っていて、知らないものはてんで知らなかったのですから、ここへ来合わせた者がすべて偶然のような工合で、「妙なもの」があることを、この時はじめて発見せしめられた者のみでした。
そこで一同は、この異様なグロテスクを怪訝な面をして右見左見していたが、本来の目的はこのグロテスクを眺むることではなく、単純に雨滴石を求めんがためでありました。ところが、偶然にも、このグロテスクの下に於て、ほぼ理想に近い石を発見し得たことです。
あの土台の下になった蓮華のような形をした一枚石――あれがいかにも、おれたちの求めるものにふさわしいものではないか、あれを持って行けば棟梁にもほめられる、大旦那の御機嫌にも叶うに相違ない、あれが適当だ――という目利きだけは、すべての者が一致したようです。