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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
ああ人が来た、二人、三人、四人、手に手に提灯を提げている。御用提灯だ。御用提灯とはいえ、これは臨時取立ての非常見廻りだ。警戒に歩いているのではない、おつとめに歩いているのだから、そんなに怖がることはない、縄をひかえて物蔭に立寄る間に、やり過すことは水を掻くようなものである。
糸蝋のようなお先供はなんにも言わない、御用提灯が目の前を過ぎても、それを呼びとめて我が身の危急を訴えることさえが、ようできない。本来を言えば、縄はなくともよかったので、この若いのは、行くべきところまで行きつかしめられるまでは、この怪物の身辺から離れることは、ゆるされないように出来ている。
御用提灯をやり過すと、糸蝋のフラフラ歩み行くのは宮川川原を下手に下るので、下手といっても下流のことではなく、川としては多分上流へ向って行くのですが、飛騨の高山の町としては、ようやく目ぬきの方へと進んで行くのですが、まもなく左は今や焼野原のあとが、板がこいと、建築と、地形とのやりっぱなしで荒みきっている。
お先供はどこまでも、宮川べりをのぼりつくすかと見れば、国分寺通りの四角へ来て、火の番の拍子木を聞くと急に右へ折れて花岡の方へと真向きに行く――ここをふらっと行き尽せば灘田圃だ。