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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
この連中、何程の信仰心と、清浄心を持っているかは疑問だが、この際、お祓いをしてやろうという神主様の好意には随喜渇仰の有難味を感じたと見え、それから神主のために祓いの座を設け、有合せではあるが、なるべく清浄な青物類を神前に盛り上げ、御幣も型の如くしつらえました。
かくて、鐙小屋の神主は恭しく「山神祓」をよみ上げる――
「高天原に神留ります皇親、神漏岐、神漏美の命をもちて、大山祇大神をあふぎまつりて、青体の和幣三本、白体の和幣三本を一行に置き立て、種々のそなへ物高成して神祈に祈ぎ給へば、はや納受して、禍事咎祟りはあらじものをと、祓ひ給ひ清め給ふ由を、八百万神たち、もろともに聞し召せと申す――」
さすが信心ごころの程を疑われるイカモノ共も、この時ばかりは、神主の御祈祷に、満腔の感激と感涙とを浮べたものです。
祓いが終ってから、一座を見廻して、神主が言いました、
「弁信さんはどうしましたか」
「あ!」
この時に、はじめて一座が舌を捲きました。
弁信! そうだ、忘れていた、あのこまっしゃくれたお喋り小法師はこの際どうしている、それは人から尋ねられることではない、こちらが気がついておらねばならぬ、呉越も助け合うべきこの危険の際の、同じ屋根の棟の下の一人ではないか、良斎はじめこの一座が、面を見合わせて言いました――