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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

、ほんとうに、よらずさわらずの人をあしらうと同じ呼吸でいるようで、その頭巾にこぼれた半ば以上の面を見ると、白いこと、蒼いこと――そうしてその眼は沈みきって、あらぬ方を向いている、決して自分一人に眼をくれているのではないということです。

お蘭は何とも言えず、寄るともなく、引かれるのでもなく、目が廻るようになって、自分は男の傍によると、それにしがみついていました。

「お待ちなさい、人声がする」

その声をまずききとがめたのはお蘭でなく、竜之助でありました。

「どちらから聞えます」

二人は、じっと静かに耳をすましていたが、お蘭が、

「向うからです、久々野の方からでございます、あれ、提灯の光も見えだしました」

「では、いま、立ち塞がった二人の者が、人夫をつれて来たのだろう」

「そうだとしますと……」

万一、それが逆に出て、高山方面からの追手では助からないが、前途のことだけにいささか心丈夫なものがある。

「あの二人の者が、約束通り人を頼んでよこしたものだろう、だとすれば……駕籠を抜け出して隠れるより、従前の通り駕籠にいて、為すがままに任せていた方がよい」

「それもそうでございますね」