輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
もいないけれども、そうそうかしずいてはおられないのみならず、甲板の上の海上の空気が、またなく人を快活にするものですから、茂太郎でさえ、この娘の方よりは、甲板と、マストと、帆と、ダンスとに親しみが深くなって、もゆる子の病床に来ることは、ホンの思い出した時ばっかりというようなことになったのが、この娘の船酔いをいよいよこじらしてしまったもののようです。
ところが、ひとりこうしてわれと我が身を拗ねて、他の者からそうでもない冷遇を受けているとひがんでいる娘のところへ、忘れずにしげしげと見舞に来たり、以前よりはいっそう親切に世話をしたりしに来る一人の頼もしい男がありました。
その、たった一人の頼もしい男というのはほかではありません、それはウスノロ氏のマドロス君であります。マドロス君は仕事の合間合間には、必ずこの娘のところへ来て、御機嫌を取ったり、御馳走を持って来てくれたり、また暇な時には、歌を唄ったり、手ごしらえの変った楽器を鳴らしたりして慰めてくれるのです。
兵部の娘は、このマドロス君を、最初からウスノロだとは認めきっている。現にこのウスノロのために、自分があられもない辱め(?)を蒙った苦い体験があるに拘らず、本来そんなにこの先生を憎んではいないのです。