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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
それでも間に合わない時は、殿様のお部屋に鉄砲がある――そんなような安心で、茂太郎はまた歌の人となりました。
チーカロンドン、ツアン
パッカロンドン、ツアン
と、口拍子を歩調に合わせて、
姐在房中
繍※繍花鞋※
忽聴門外
算命先生
叫了一声
叫了一声
と勢いよく唱え出して、
トデヤウ、パンテン
スヘンスエン
ニイツインゾオヤア
ヌネン、バズウ
ゴテ、スヘンスエン
ニイ、ツエテンジヤ
ニイ、ツエテンジヤ
茂太郎としては出鱈目ですけれども、これは立派に支那の端唄になっていました。
こんな出鱈目を器量いっぱいに歌いつづけた時に、茂太郎は行手の右の方の、こんもりと小高い丘の上に真黒に盛り上った森の中から、ポーッと火の手の上るのを見ました。
それは、狼煙のように――風が無いものですから、思うさま高く伸びきって、のんのんと紅い色を天に向って流し出したのです。
「あれ、天神山で火が燃えた」
時ならぬ火である。一時は火事かと思ったが、火事ではない。お祭礼でもないはずなのに、誰が、何の必要あって、あんなに火を燃やし出した?
茂太郎は、思いがけなく火の燃え出したのを、非常時として見るよりは、その火の色が特別に赤い色をしていることに、美しさを感じて、一時は見とれたように立ち尽しました。