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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
時として、イヤなおばさんだの、仏頂寺弥助の一行だのといったようなのが、苦々しい幻像を現わすこともあるが、概して、自ら描いて見る風景と、人物とは、特殊な甘美なものがあって、自己陶酔には充分なのです。
その幻像から来る自己陶酔を楽しむことができるようになった竜之助は、性格的にどれほど恵まれたかは知れないが、時間的には、たしかに、退屈ということを忘るるの術を授けられたようなものです。
平湯から、こちらでは、その機会の少なかったのは、沈静から流動へと移った旅程のあわただしさでしょう。昨夜の火事の前なども、うつらうつらとその夢幻の境に引き入れられようとして、引き戻されたのではあるまいか。
今は、しばらくその時が与えられた。空想の幻像によって、窮居の無聊を救うの術を覚えたことの応用は、この辺だと心得たものでもないでしょうが、肱に枕をすると、眼を眼中に向けて、想いを雲煙の境に飛ばしました。しかし、幻想といえども、境遇と離れては成り立たないものと見えて、竜之助の夢うつつは、昨夜来の出来事と、そうして自分にかしずいているお雪ちゃんの面影の外には、出でることができませんでした。