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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく

文化史上より見たる日本の数学

三上 義夫

線上閱讀三上 義夫《文化史上より見たる日本の数学(ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 頁

青空文庫

印度の数学については英国の高官たりしケー氏が随分曲解して、印度には数学の能力なしという如きことを説いた例もあるが、この人もまた支那との比較については私の前著を参照したのであった。支那の数学に関しては、ワネー師が支那人の能力なきことを立証せんとして居る。これも事実を語るものであれば、やむを得ないのであるが、どうも正鵠を得たものとは思われぬ。私も及ばずながら、事情が許すならば、ダッタ教授の希望に添うような支那数学史を説いてみたく、閑暇さえ得られるならば、再び欧文の著述に回らぬ筆を執ることにしたい。

巴里に万国科学史委員会なるものがあり、伊太利の科学史家ミーリ氏が主になってやって居るのであるが、私はさきに誤ってこの委員会の通信会員に選挙された。勿論予め私の承諾を得てのことでも何でもない。けれども未知の人、未知の会からこの選挙に預ったことは光栄に感ずる。今のところ、東洋人中には私が唯一人でもあるし、相成るべくは支那日本の科学史特に数学史に関する報告をもしたいことに思う。もし数学史研究の傍ら欧米へ紹介の労をとることも出来るならば、これだけでもせめて多少の貢献になろうことを、心ばかりの慰藉とする。