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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく

文化史上より見たる日本の数学

三上 義夫

線上閱讀三上 義夫《文化史上より見たる日本の数学(ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 頁

青空文庫

関孝和は日本の数学を樹立する上に最も大なる功績のあった人であるが、関はある時奈良のある寺に何であるか分からぬ書物があると聞いてこれを調査し、それから数学が上進したという話もあり、また関の著書を検するに、年代を記したものは刊行の一冊を除きて、およそ五年の間に限られている、という不思議な事実がある。この二つの事実を併せ考うるときは、関の業績については大いに疑うべきものがあるかと思われる。はたしてしからば上述のごとき事項はオランダもしくは西洋から伝わったものではないか、と推定し得られようか。この推定を得るためには少し理由が薄弱なようである。

関孝和は如何にも方程式論めいたものを説いているが、それ以前にも方程式に二根あることが知れ、しかし問題が悪いためにこんなことになるのだから、二根が出ないように問題の諸数を改めなければならぬ、というような考えを出した人がある。その問題というのは例の遺題として出たものであった。天元術を正当に理解するために努力して成功した和算家が、天元術の応用において一歩を進めて、ここまで来たのは、外国伝来の知識によらずともでき得べきことであったろう。