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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく
文化史上より見たる日本の数学
三上 義夫
線上閱讀三上 義夫《文化史上より見たる日本の数学(ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 頁
諸般学術の勃興をきたしたのである。けれども発達すべき素質のないところには如何なるものを受け入れても発達を見ることはできない。ギリシアの学問を受け入れながら何等見るべきもののできなかったローマはその適例である。
日本でも、古くから三韓にことがあって、三韓から文字を伝え、儒を伝え、仏を伝え、美術を伝え、医薬を伝え、また暦法算学をも伝えて、ここに算博士も置かれ算生も任ぜられて数学の教授もできることになったのである。しかし当時は法典でも国史でも、漢文で書いたほどに、模倣をのみこととしたのであって数学のごときも隋唐の制に倣って始めたというに過ぎない。社会の内部に必要があって起こったのではない。それに外国との関係は打ち切られ、外国からの刺激もなくなる、従っていくばくならずしてまた廃れるのも故なきにあらずである。
もちろん暦法の運用、都城の新設、宮殿諸寺の建築、開墾、道路、橋梁等の事業において多少数学が必要でないのではない。しかし日本人は何事によらず理論を作らずして実際の運用を主とする。これらの諸事業においても、ただその設計測量等の実行さえできれば、それで満足したであろう。