輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁
それは二円と少しのものであった。謙作は小銭を三円出した。
「後はさっきの姐さんにやって貰おう」
謙作は女が金を持って往くのを見て煙草を出し、それにマッチの火を点けて、一吸してから腰をあげた。
「大変よ、大変よ」
おびえたような声をしながら出て往っていた女が、ガラス戸の処に姿を見せた。
「どうしたの、どうしたの」
「どうしたって、大変よ、今のお客さんが、己で首を突いたのよ、私、もうどうしようかと思ったわ」
謙作は煙草をとり落した。
「あの横町の水菓子屋の前まで走ってって、いきなり短刀を出して首を突いたのですよ、おっそろしい」
「どうしたと云うのでしょう、あの女の方を追っかけて往ったのじゃないこと」
「そうなのよ、でも女の方は見えなかったわ」
「いったいどうしたと云うのでしょう、狂人でしょうか」
「まあ狂人だ、わ、よ、女の方に怨みがあるなら、女の方を殺したら好いじゃないの」
謙作もその詞を聞くとあの男はたしかにどうかしていたのだ、だからあんなことを云ったのだと思った。そして、己が今その男の対手になっていたことを思いだして、係りあいになって出発が出来ないようなことがあっては大変だと思いだした。