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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁
岡本は松山をちらと見てにやりと笑った。
「どうだ、松山、あの堅蔵が、そんなことをやるのかい」
松山もにやりと笑った。
「さあ、ねえ、彼奴とっても堅い奴だから、博奕なんか知らないだろう」
「そうだろう、口じゃいいかげんなことを云っても、おもが堅蔵だから」
二人はおかしくてたまらないと云うようにして笑った。二人の話はまた他愛ない話になった。女はあくまでも無邪気であった。暫くして岡本が気が注いた。
「半ちゃんは、どうした」
歌妓も気が注いた。
「そう、ねえ、ほんとに長いわ、便所へ往ったのでしょうか」
松山はまぜかえした。
「便所の中で、賽ころを揮ってるじゃないか」
「まあいいや、廊下とんびでもやってるだろう」
岡本は盃を持った。そこへ襖が啓いて角刈の頭が見えて来た。松山は待っていた。
「おい、半ちゃん、八千代が、便所へ往って賽ころを揮ってるのだと云ってたぜ」
「うん」
半ちゃんは真顔になっていた。半ちゃんは立ったままであった。
「大将、ちょっと、また話が出来たのだよ」
「どんな話だ」
「ちょっとね」
「秘密の話か」
「そうなのだ」
「そうか」
「また八千代に気のどくだが」
「おってはいけねえのか」