輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁
讓はその階段へ足をかけた。
讓を廊下で抱き縮めたような女と同じぐらいな年恰好をした年増の女が、隻手に大きなバケツを持って左の方から来た。讓は見つけられてはいけないと思ったので、そっと後戻りをして出口の柱の陰に立っていた。
肥った女はちょうど讓の前の方へ来てバケツを置き、庭前の方へ向いて犬かなんかを呼ぶように口笛を吹いた。庭の方には天鳶絨のような草が青あおと生えていた。肥った女の口笛が止むと、その草が一めんに動きだしてその中から小蛇が数多見えだした。それは青い色のもあれば黒い色のもあった。その蛇がにょろにょろと這いだして来て女の前へ集まって来た。
女はそれを見るとバケツの中へ手を入れて中の物を掴み出して投げた。それはなんの肉とも判らない血みどろになった生生しい肉の片であった。蛇は毛糸をもつらしたように長い体を仲間にもつらし合ってうようよとして見えた。
讓は眼前が暗むような気がして内へ逃げ込んだ。その讓の体は軟かな手でまた抱き縮められた。
「どんなに探したか判らないのだよ、どこにいらしたのです」
讓はふるえながら対手を見た。それは彼の年増の女であった。