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がまのち

日本怪談大全 第一巻 女怪の館

田中 貢太郎

線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁

青空文庫

「よかあないことよ、いやよ、帰るのは」

「帰るのはいやって、大事の旦那さまが嫌いかね」

「嫌いよ、あんな跛なんか、見たくもないわ、飽き飽きしたから、杉本さんにどうかしてもらうわ」

「それはお門違いだろう、あれじゃないか」

「痴」

「だってそうじゃないか、それで事件が起ったじゃないか、やっぱり男に生れるなら、壮い、きれいな俳優のような男に生れたいものだな」

「痴」

「痴は、ないでしょう」

「痴、痴、痴よ、そんなことを云うものは、ただ、お杉が知ってると云うから、いっしょに飯を喫ってたじゃないの、それをあの悪党が、二人を伴れだして、一札をかかしたじゃないの、無実の罪よ、貴方は弁護士じゃないの、そんな無実の罪の弁護するのが、職務じゃないの」

「だから、すぐ往って、旦那に逢って、奥さんは、決してそうじゃないと云って、旦那の誤解をといて、今晩伴れて往くと云うことにして来たじゃないか、りっぱに、弁護士の職務をつくして来たじゃないか」

「だめよ、貴方の弁護士は、女を口説く弁護士よ」

「ところが、僕は女を口説くが拙なのだ」

「だめよ、そんなことを云ったって、ちゃんと種があがってるから」

「それこそ無実の罪だ、こりゃ何人かに弁護を頼まなくちゃいけない」