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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁
「ふんだ」
お鶴は不快そうな顔をして飯を喫いだした。お鶴の向前にいた音蔵は、何時の間にか箸をやめていたが、お杉が長吉の盃へ酒を注いだのを見ると、ほっとしたように箸を動かした。お杉は飲みさしの酒を飲んだ。
「親孝行のお嬢さんが、白粉や香水を買う金がありゃ、たまには活動の一つも見に伴れてってくれるといいが、親孝行は違ったものだ」
お鶴はすましていた。
「何云ってるのだ、家へ入れるものは、ちゃんと入れてあるのだ、白粉を買おうと、香水を買おうと、己のはたらきで、己がするのだ、へんだ」
「そうそう、己のはたらきで、買い喫いもすれば、男狂いもするのだよ、みあげたお嬢さんだ」
長吉は手をあげて二人を押えるようにした。
「これ、これ、お鶴、お杉、そ、そんな、そんなことを云うものでねえ、みっともない、親子が、そんなことを云うものでねえ、みっともない」
お鶴はいきりたっていた。お鶴はお杉を睨みつけた。
「何云ってやがるのだ、この比こそ、あんまりへんなこともしないが、大酒を喫って、お父さんをふみつけにして、眼にあまることばかりしてたくせに、わたしが何も知らないと思って、ふざけたことをお云いでないよ」