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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁
「私が寝台の上に乗っけよう、そのかわり、奥様の後で、私がいびるのですよ」
年増はふうふうふうと云うように笑いながら、讓の体を軽がると抱きあげて寝台の上へ持って往った。讓はもがいて体を揮ったがそのかいがなかった。
「あの野狐を伴れてお出で、野狐からさきいびってやる」
主婦はそう云いながら寝台の縁へまた腰をかけた。讓の眼前は暗くなってなにも見ることができなかった。讓は仰向けに寝かされていたのであった。
女達のなにか云って笑う声が耳元に響いていた。讓は奇怪な圧迫を被っている己の体を意識した。そして、一時間たったのか二時間たったのか、怪しい時間がたったところで、顔を一方にねじ向けられた。
「このばか者、よく見るのだよ、お前さんの好きな野狐を見せてやる」
それは主婦の声であった。讓の眼はぱっちり開いた。年増が壮い女の首筋を掴んで立っていた。それは下宿屋においてあった彼の女であった。讓ははね起きようとしたが動けなかった。讓は激しく体を動かした。
「その野狐をひねって見せておやりよ、その野狐がだいち悪い」
主婦が云うと年増は女の首に両手をかけて強く締めつけた。と、女の姿はみるみる赤茶けた色の獣となった。