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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁
役人はその前に平伏しながら己の背後におる僧侶に指をさした。
「なにか、宗門に係わる訴人か」
忠隣は鼠色の法衣を来た僧侶に眼をやった。
「さようでございます、もと南蛮寺におりました入留満が、九条の片ほとりに隠れておることを、愚僧は仔細あってよう存じております、この入留満は、邪法を使う稀代の悪僧で、時ならぬに枯木に花を咲かせ、ある時は、客人を待たしおいて天の川へ往って魚を捕って来るなんぞ申し、竹子笠を着、腰に魚籠をつけて、縁端から虚空に姿を消すかと思えば、間もなく腰の魚籠に鯉鯰の類をいっぱい持って帰るなど、奇怪至極の邪法を使いまする、これを召捕らんことには、仮令在家の老若を何千人何万人召捕らるるとも、邪法の種を絶やすことはできんと思います」
「そうか、それは大儀であった、では、その悪僧を召捕る、その方、案内をいたせ」
忠隣はこう云って右傍をちらと見て、そこに立っている家臣に、
「聞くとおりの曲者じゃ、手落のないように召捕ってまいれ」
忠隣の忠臣吉見太郎左衛門は、所司代庁の捕卒を五六人伴れ、訴人の僧侶を案内にして九条のほうへ往った。そして、僧侶の教えるままに天神の裏手にある庵室へ往った。