輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(一)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 246,214 字 · 495 頁
どっちも、時の声だった。
いずれにせよ、今はもう、朝廷にそのおしたくがあることだけは、極秘極秘といいつつも、自然、半公然となっている。
なればこそ、右少弁日野俊基は、みずから笑って――蛇が穴を出る日が来たので――といったのであろう。
そして、密偵の八荒坊に出会っても驚かず、散所ノ太夫義辰を訪ねても、すべてを平然と、打明けていたものにちがいない。
「弁ノ殿。……はやお目ざめにござりまするか」
朝。
春眠暁ヲ覚エズ――というほどな今なのに、俊基の寝所では、小鳥と共に、はや、かすかな物音がもれていた。
「オオ、御子息の豊麻呂か。……入るがよい」
「豊麻呂です。ゆうべは、父や頼春や御従者も交じえて、深更までのおん物語り。それなのに、こうお早いのは、何かお寝苦しいことでもございましたか」
「いや、この俊基は、家にあっても、常々、人の半分も眠れば足りる性分。それに夜前は、つい大酒したゆえ、早暁の気を吸って、酒腸を醒まそうと思うてな」
「では、あなたの書院へおわたりなさいませぬか。そこの亭は、四望、眺めもよろしゅうございますから」
豊麻呂は、妻戸の外に出て待った。そして着がえや朝の嗽いをすまして見えた俊基を、別の亭へ案内して行った。