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やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《野草雑記・野鳥雑記(やそうざっき・やちょうざっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,016 字 · 284 頁
そうして馴れて忘れてしまった危険も多いかと思う。私の家では落葉松の高い幹に縛って置いた巣箱が三越製であった。主人も考えが足りなくて、屋根の板の薄いのを気にしなかったところ、二春まで続けて親子二代とも何かに喰われてしまった。多分は村の外の林に棲む梟のしわざだったろう。屋根の板を剥し割って夜の中に荒して行ったのである。大屋も店子も共にこの危険には無智であった。深山の鳥ならば恐らくは本能がこれを避けさせたことと思う。
しかもこの危険が、もし少しでも予知し得られるものだったら、選んだ後でも何かの処置を取ったであろうことは、幸いにしてこれを確かめる機会が私にはあった。鳥類の不安の感じはかえって人間よりはずっと鋭敏なのである。ただ我々のような推理の力が具わらぬために、梟にも襲われ煙突からも落ちるのみならず、むだな恐怖によって大きな損をするのである。この砧村の野の中に住んだ当座、私は庭に僅かな芝生を設けて、春の緑を楽しんでいたが、毎日のようにその中に雀の卵の破片を見かける。時には傷のない卵もあり、または孵化したばかりの雛が、落ちていて蟻にたかられていることもあった。