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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 156,866 字 · 318 頁

青空文庫

平次も、馬場要も、容易ならじと声を掛けたのです。

「明神様の境内で遊んでる子供達ですよ。あの顔触れは毎日同じだ、間違いっこはありませんよ。河内屋の坊っちゃんが、昨日くしゃみを幾つしたかまで知っていますぜ」

「無駄は止しな」

「夕方迎いに来たのは、顔はろくに見なかったが、白粉の濃い、皺枯れた声で、首に古傷があったそうですよ。その女が、――叔母さんが呼んでいるからすぐ「馬場様へ帰りましょう」――と言ったそうで」

「本当か、それは」

「嘘だと思うなら、証人は六七人明神様の境内に遊んでいますぜ。呼んできましょうか」

「…………」

ほんのしばらくの間、颱風の眼へ入ったような、恐るべき沈黙が続きました。

「そんな馬鹿な事があるはずはない――子供の言う事などが証拠になるものか。第一白粉の濃い下女などを使った覚えはないぞ」

馬場要はハタとガラッ八を睨み据えます。

「馬場様、――八五郎と子供は後で存分に叱っておきましょう。それはまアそれとして、旦那は昨夕から今朝の夜明けまで、どこに在なすったか、それを聴かして頂きさえすれば、私には何の疑念もございません」

「…………」

「坊っちゃんを殺したのは、御武家の仕業ではございません。