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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 156,866 字 · 318 頁

青空文庫

「平次か、そちの子分の馬みたいな男は怪しからんぞ、――何、勘弁を願いたい。謝るなら謝る道がある、ここへ来て一パイ付き合え」

これでは手の付けようがありません。主人の又兵衛も、お米も、佐久間町の丁子屋の急変を聴いて飛んで行った跡に、馬場要は一人泰然として杯を挙げているのでした。

「親分、これはどうした事でしょう」とガラッ八。

「八、何もかも考え直しだ。――が、俺は大変な事を忘れていたよ、もう一度油屋へ引返そう」

「何べんでも引返しますがね」

「手前は宗七を押えて、こっちへ連れて来い、突き合せる人間があるから」

「そんな事ならわけはねえ、碁は強かろうが、腕っ節は弱そうだ」

そう言うガラッ八と別れて平次は油屋へ。

「親分さん、まだここに居なすったんで」

と店の者は少し変な顔をしております。

「花見のお茶番の趣好を訊こうと思ってね、支度はもう出来たのかい」

「みんな揃いましたよ、花が咲きさえすれば、繰り出せる都合で――」

手代はさすがに嬉しそうでした。

「そいつは豪儀だ、衣装も鬘も」

「小道具一切、ここにありますよ」

「女形はやっぱり花見鬘か何か――」

「歌舞伎役者の使う前髪鬘が手に入りました」