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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 156,866 字 · 318 頁

青空文庫

「あんまり変だから、今朝お絹さんが役人方と話しているうち、裏口から抜出して飛んで参りました。――本当に父親の落度で、死ななければならない破目でしたら、諦めようもありますが、万一人手に掛って殺されたのなら、このまま有耶無耶にして、私や弟達が乞食になっては、死んだ父親も浮び切れません。お願いでございます。親分さん、入谷まで行って、様子を見てやって下さい」

お糸はもう一度新しい激情にひたって、平次の膝へも取縋りそうにするのでした。

「そう言えば、可怪しいことばかりだ。とにかく、覗いて見るとしようか――もっとも俺が行って、かえって困るようなことを嗅ぎ出すかも知れないが、それは承知だろうな」

平次は煙草入を腰に差しながら、お静の持って来た羽織に手を通しました。

「それはもう、親分さん、父親に罪があるのなら、乞食になっても、決して人様は怨みません」

「では、一つだけ訊くが、――お前さんの父親を殺しそうな人間は誰だろう?」

「?」

「そう訊いては返答に困るだろう。それじゃ、父親と一番仲のよかった人間は誰だい」

「石川様でございました」

お糸は言下に答えました。

「それから?」